またずいぶん間があいてしまいました。実はこれから夏休みで日本へ帰国するのですが、台風の影響で出発が2時間遅れていて、その連絡メールが届いた頃、家を出たので知らぬまま空港へ到着。それでなくてもかなり早めに着くようにしていたので、時間がたっぷりあまっています。
もう3ヶ月も前のはなし、6月1日、コルシカ島最終日でした。
最後の2日は、コルシカ島北部、パトリモニオというワインの産地にほど近い高台にあるシャンブルドット(またはB&B、または民宿)に宿泊していました。自家製のジャムやフルーツジュース、お菓子など、たっぷり心のこもった朝食を素敵なお庭でいただいて、近くの陶芸家やワイン生産者を教えてもらい、荷物をまとめて出発。
前日の夕食は、お魚屋さんがやっているレストランでマグロざんまいメニュー。
下の写真は宿泊していたところのお庭からの風景。
陶芸家さんのところでちょっとしたものを購入し、1時間くらい話しこみ、その後、結構大きなワイン生産者を一件訪ね、白ワインを数種試飲して、2ケース購入。おまけにオリーブオイルも作っていて、試飲したら美味しかったのでそれも1瓶お買い上げ。その後、すぐ近くのSt Florent(サンフロラン)という海辺の観光地でお昼を食べる気にはならず(人のいないところが好き)、10km弱離れた高台にあるレストランに行ってみることにしました。登り登ってぐるぐるぐるぐる。。。いつものごとく山あいは雲が立ち込めてゴロゴロいっている。本当にどこかにたどり着くのか?と思いつつもなんとか到着。若いご夫婦オーナーがやっているレストラン、マダムがシェフ、ムッシューはパティシエで、サービスを担当していました。雨を心配しながら外のテラスで、ちゃんと作った美味しいお料理を食べることができました。直後にざざーっときたけれど、そのぶん気温が下がり、車の中のワインやらあれこれコルシカ島で買いためたものがアツアツにならないのでよかったよかった。遅い昼だったのでもう3時をすぎていて、この日の夕方フェリーに乗るバスチアという港町を目指したのでした。ほどなくバスチアに着き、民宿のマダムに教えてもらった半屋内の駐車場に車をとめ(車が暑くならないですむ)、バスチアの街中で夕食用の食事パンなどを買い、ちょっぴりぐるぐるすると、フェリー乗り場に行くちょうどいい時間になりました。
夕方5時半ごろ、といっても日の長いフランスのこと、午後の一番暑い中、港には影になるところはほぼなく炎天下で待機。車のエンジンは切っているし、ちょっとした植木の影のあるところまで行ったり、車に戻ったりしながら、あつーと言いながら時間をつぶしていました。
そしてフェリーの準備ができて、みんな一斉に車に戻り一列ごとに乗船。
船の看板からは、駐車場の様子がよく見える。もう予定の出発時間はとうに過ぎているけれど、まだ大型車の乗船が終わっていないよう。たまにギリギリにやってきた車が一瞬たりとも止まることなく船に入って行く。ついさっきまでとはうって変わって閑散とした駐車場の真ん中にポツンと車が一台。ほぼ入り口ゲートの横にもう一台。あの人たちは何をしているんだろう?何もしていない感じだけれど、車の調子が悪いのか?まさか船を間違えたわけではないだろうし。。。ゲート横の車は船に乗り込んだらしくいなくなった。でも、もう一台は依然として同じ場所にいる。船が動き出してもそのまま、、、
なんてことを看板から出航を待っていた人たちは思っていただろうなぁ。そう、この駐車場にポツンと残されていたのは私たちです。
さて、乗船できる時間になり、前の車がエンジンをかけて進みはじめ、さて私たちも、という段になって、車が動かなーーーーーーーい。どうやっても何をやってもエンジンがかからずどうにもならない。車のキーもおかしい。何度やってもウンともスンともいわない。私たちの後ろにいた人たちもどんどん抜いて行く。フェリーの担当者に言うと、誰かを呼んでくるとは言ったものの、その気配は全くなし。そのうち、乗用車の乗船は終わり、だだっ広い駐車場はガラガラになってました。その頃にはもうフェリーの人をあてにしてもしょうがないので、保険を通して救援依頼をしましたが、そう簡単にはやってこない。なにせすでに夜の8時。救援車が近くに何台もいるわけでもなく、他に故障車があれば、その順番待ち。そのうち私たちの目の前で扉が閉まり、フェリーは出航してしまいました。もうこの船に乗るのは無理だろうとは思っていたけれど、乗るはずだった船がゆっくり去って行くのを目の前で眺めるというのは、なかなかむなしい。
それからだだっ広い駐車場で1時間くらい待ったのだろうと思う。だんだん日が暮れて暗くなって行くし、修理屋は来ない。ギーちゃんは保険屋や車のサービス担当など電話をかけまくっているけれど、どうもラチがあかない。何しろ、あなたの名前は登録されてないようです、からはじまり、いや名前は見つかったけど、保険の期限が切れてるだの言われてどうしようもない。そのうち、携帯の充電も切れそう。船の中で充電できると思っていたし、日中、あちこち回りながらの1日だったので、携帯ナビを使っていたので(ウチのマツダ車のナビだと、たまに変なところに連れて行かれるので、田舎道みたいなところを通る時には携帯に限る)。そんな中で、とりあえず近くのホテルを確保したりしていると、港の警備の人がどうしたの?とやってきた。事情を説明すると、「全く!あのフェリー会社、バッテリーのブースターが壊れてるって言ったって、湾口事務所で借りて来れば済むものを。」とのこと。やっぱりうわさ通り、サービスなんてあったもんじゃないないのだ。あたりは真っ暗になり、このまま何時まで待たなくちゃいけないのだ、と思っていたころ、救援車がやってきた。不機嫌なおじさん、バッテリーをブーストしたらすぐにエンジンはかかった。でもダッシュボードは警告だらけ。それですぐに帰ろうとするのを止めて、もうちょっと見てよと粘ったけれど、その辺ちょっと走ってバッテリーを充電すれば大丈夫、と言ってそそくさと帰って行った。
それでちょっとぐるぐるし、でもまた街から離れて、こんな夜遅くにまた故障されても困るし、っていうのでホテル近くの屋根付き駐車場にとめて、ついさっき予約をしたホテルへチェックインしました。なんとか普通に一夜を過ごせるらしいということで、ホッとするも、この想定外の状況になんだか気持ちは沈みがちでした。
つづく